西日本豪雨から、まもなく3ヶ月が経とうとしています。
私が9年間を過ごし、故郷のように思っている岡山も、大きな被害を受けました。
変わり果てた町の姿を見るたび、
そのニュースをスタジオで読むたび、
悲しみも無力さも心配も募っていきました。
3週間が経った頃、
やっと岡山に行くことができました。
倉敷市真備町の災害ボランティア。
今回はその時のことを振り返りたいと思います。
現地に入り、一番最初に驚いたのは、
道の端に山積みにされていた
災害ゴミを見た瞬間でした。
2メートル程の高さまで積まれ、
どこまでもどこまでも続いていく...
想像していた以上の量でした。
ここにあるのは、
きっと皆さんの大事にしていたものばかり。
生活の証。
そう思うと、言葉が見つかりません。
自販機や洗濯機など...
こんなに重いものが流れてきたということに
水の力への恐怖も感じました。
派遣された場所はご年配のご夫婦のお宅。
二階まで浸水したそうで、
今は骨組みだけになってしまっていました。
床下に溜まった汚泥をかきだし、
土嚢袋に詰めるお手伝いをさせていただきました。
到着すると家のご主人が
真夏のうだるような暑さの中、クーラーもなく作業されていました。
すっかり疲れ切った表情。
時折体を休ませながら、
無言で宙をじっと見つめるその姿に、
背負ってきた悲しみやご苦労を感じました。
ボランティアの時間は数時間だけでも、
被災者の皆様にとっては、
暑さも大変さも、毎日続いているのだと
当たり前のことを、実感します。
築60年。沢山の思い出が詰まった
お二人の努力の結晶のご自宅。
心の傷も癒えない状況なのに。
お二人は、
笑顔で何度もお礼を言ってくださり。
お水沢山飲んでね、疲れてない?大丈夫?
こっちきて扇風機の前で涼んでね。
と、気遣ってくださりました。
...どうしてそんなに優しいのだろう。
大変な中。逆にご配慮くださるその心に、
頭が下がります。
「水害の保険には入っていなかったから、
全然保険金がでないんよ。
この歳でしょう?
この先どうしたらいいんかな。
お金借りても返せないよ。途方にくれとる。
家は諦めるしかないんかな。」
と話してくれたお母さん。
火災保険や地震保険は入ってたけど、
水害は入っていなかった。
保険が出ないと、国からの補助が出ても
全壊の家を立て直すには
あまりにも足りないのが現状です。
お二人のような方は
きっと沢山いらっしゃるんだと思います。
少しの額だとしても。
募金に協力することも
大切な一つなのかもしれません。
少しずつが沢山集まれば力にきっとなる。
そう思って、微力ながら、
募金も引き続きしていきたいと感じました。
被災地に入って一番強く感じたのは、
金銭的にも精神的にも、
ボランティア活動でも、
とにかく長期的な支援が必要だということ。
あれから3ヶ月を迎えようとしていますが、
避難している人々の日常は戻っていません。
なくした家は返ってきていません。
毎日、
そこで生活している皆さんのご苦労が
続いていることを忘れないこと。
いつもどこかで思っていること。
それを大切にしたいと、心から思いました。
そして、こうした災害が起きた時、
私たちメディアは、どう呼びかけるのが的確なのか。
どうしたら命を守る報道ができるのか。
もっともっと勉強していきます。
最後に。
この写真はボランティア活動のグループでご一緒した皆さんです。
活動後、倉敷で観光したいと
言ってくださったのでご案内しました。
その気持ちも、とても嬉しかったです。
今回の災害が観光へ与えた打撃も
相当なものになりました。
秋の倉敷美観地区は、とても素敵です。
旅行の場所を迷っている方は、
ぜひ行ってみてくださいね!
少しでも早く、
被災者の皆さんの日常が
穏やかさを取り戻しますように。
心からお祈りしています。



